骨折からの復活

今年の3月に
太ももの付け根の部分、
大腿骨頸部を骨折をした
おばあちゃんがいます。


入院、手術。


面会に行くと片足を牽引され
痛々しい姿。
生活の環境が変わり
痛みも加わって、
険しい表情…


おばあちゃんには
認知症があります。


伝えたいことは
なかなか伝わりません。
積極的なリハビリをするのは
難しいでしょう。
病院側から そう 言われました。


長く病院生活を続けるより
早い段階で ご本人の暮らし慣れた
グループホームに戻る方が
いいと思う。
ご家族も私たちも
同じ気持ちでした。


入院から2週間と少し
車椅子に乗って
帰ってきたおばあちゃん。
手術の経過は順調だけれど
足を動かせば
痛みがあります。


スタッフに言いました。

『痛がるし、かわいそう…って
このままにしてしまえば
関節が固まって 歩くことはできなくなる。
本人のツラさも受け止めつつ
心を鬼にして前向きな声かけをしよう』

☆ 車椅子は移動の時だけ。
☆ フロアでは椅子に座り替える。
→1日何度も立ち上がりの機会をつくろう
☆ 排泄はトイレで
☆ たくさん褒めて認めよう

私たちの施設に
リハビリの専門職は
いません。


でも毎日の積み重ね。
スタッフが同じ方向を向いて
できることを少しづつ。

言うのは簡単。
やるのは大変。

「痛い!何するのよ!
私のことを殺そうとしてるのね!」

ご本人の理解が
得られないことは
しょっちゅう。

でもあきらめない。
少しづつ。

f:id:gc-funabashi-miyama:20190506125154j:plain

しっかり立てるようになってきた。

手を引いて
歩けるようになってきた!

『〇〇さんすごいよ!』
一緒になって喜ぶスタッフを見て
『そうなの?私…すごいの?』
嬉しそうなおばあちゃん。


そして今日。


階段の練習をしてる
おばあちゃんとスタッフの
姿がありました。


「怖い。怖いよ〜」
『大丈夫!僕を信じて。』
「ホント?信じていいのね」

f:id:gc-funabashi-miyama:20190715151730j:plain


ゆっくり一段。

また一段。

f:id:gc-funabashi-miyama:20190715151754j:plain

階段を最後まで降りた
おばあちゃんの顔。
スタッフみんなに
見せたかった。

ついにここまできた…
うかつにも感動してしまった…(๑´̥̥̥>ω<̥̥̥`๑)


信頼していない相手に
心と身体を 預けることなんて
できないはず。

その人の「出来る能力」を
感じ取ることができなければ
リスクを伴う介助には
踏み切れないはず。


おばあちゃんの 『強さ』
スタッフの 『根気強さ』