身体拘束の先には

2月

雪が降ったり

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鬼になったり(笑) お似合いですっ!

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そんななか

インフルエンザから

肺炎をおこし

2週間ほど入院していた

おじいちゃんがいます。

 

退院日が決まり

迎えにいきました。

 

〇〇さん!

迎えにきました。

一緒に帰りましょう。

?あれれ

声をかけても視線が合わない…

なんて言うのかな…

ぜんぜん違う人みたい (+_+)

 

そりゃあ

病気だったわけですから

元気満々じゃないのは

仕方ない。

 

もともとは

大きな声で良く喋り

立ったり 座ったり

気ままに歩いたり。

さみしがり屋で

すぐに人を呼ぶ。

食いしん坊で

よく食べる。

目を離すと

一人で歩いて転ぶから

いつもスタッフが

そばで見守り、

声をかける日々。

 

そんなおじいちゃんが

入院…

 

自分に何がおきたんだ!

分からない。

目もよく見えないし

耳もよく聞こえない

不安だもの、動くよね…

点滴だって、外すよね…

大きな声で、呼ぶよね…

 

■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□

 

病院のベッドには

手足を縛っていた抑制帯。

使っていた車いすには

立ち上がらないよう

抑制ベルト。

そう。安全のために。

 

病院は安全に治療を行うため

きちんと家族に説明し

同意書をもらって

身体拘束を行います。

病気の治療を

なにより優先するために。

 

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帰り道の助手席。

虚ろな目をして

痩せてしまった

おじいちゃんの手を握り

「もうすぐ着くよ~」

「いつもの場所に帰ろうね~」

おっきい声で言いました。

軽く頷いたおじいちゃん。

すごい力で手を握り返し

到着するまで

わたしの左手を

離さなかった。

 

90歳をゆうに過ぎて

ベッドに手足を縛られ

訳もわからず2週間。

 

私たちガーデンコートの職員は

定期的に身体拘束や虐待の

研修を行っています。

何度も受けている研修で

知識はちゃんと

頭に入っているけれど…

 

退院してきた

おじいちゃんの目。

生きることすら

諦めてしまったような

あの目、あの表情。

これまでのどんな研修よりも

胸にくるものがありました。

 

三山のスタッフに伝えました。

「〇〇さんを元に戻すよ!」

そこに必要なのは

経験でも資格でもない。

「愛!」www

スタッフは

おじいちゃんを迎え入れ

耳元で 聞こえるように

たくさん声をかけます。

温かく、厳しく。

ユーモアにあふれた言葉を

毎日。毎日。

 

そして今。

退院から10日目。

スタッフに手を引かれ

歩いて トイレに向かい

スタッフの言った

冗談に フフって笑う

おじいちゃんがいます。

昨日はビールも

飲んじゃいましたよ。

ノンアルですけどね (*^^)v