秋の夜長に思い出す

数年前のこと。

ひとりのおばあちゃんが
小規模多機能のサービスを
ご利用していました。


認知症を抱えながら
ひとり暮らしをしていたけれど
なかなか…それも厳しい
状況になってきていました。


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かねてから申し込んでいた
当施設のグループホームに空きが出て
ご家族さんが見学に来られた時のこと。


館内をご案内し
いくつかの質問にお答えしました。
ご家族さんが
スタッフの働く様子を
目で追っていたのが印象に残っています。


これまで 小規模多機能を
ご利用中のエピソードや
スタッフとのやり取り
楽しい話しも、せつない出来事も
いろいろお話しさせてもらいました。



グループホームにご入居いただいたら
毎日 会えるのが何より嬉しい。

認知症がもっと進んでも
色んなことが分からなくなっても
私たちが支えていきます…と
お伝えしたように記憶しています。


玄関でご家族さんを
お見送りした時、
こんなことを言われました。


『本当は自分の家のそばにある施設に
入居させようかと思っていたんです。
新しくて、設備も素晴らしかったから。
でも ココでお世話になることに決めました。
設備とかそういうことじゃなく
人を見て決めないとダメだ。
私は大きな失敗をする所でした。
母のことよろしくお願いします 』


嬉しい気持ちになったのも
束の間、
私たちを選んで
大切なお母さまの生活すべてを
預けていただく…という
責任の重さを
改めて感じました。


生活のすべてを預かると
いうことは
色んな気持ちを受けとめると
いうこと。

美味しい食事
楽しいイベント
ニコニコした笑顔


世間は
そんな場面ばかりを発信するけれど
そんな場面ばかりではない。


それぞれに認知症を持つ
おじいちゃんおばあちゃんたちが
何かのご縁で
共同生活をしています。
価値観も
歩んできた道のりも
人それぞれ。

ぶつかり合って
暗雲が立ち込める日も

響き合って
良い音色を奏でる日も

ありますね (*´з`)