振り返り、前に進もう。

 

 2019年。

ガーデンコート船橋三山では

グループホーム、小規模多機能

合わせて7名の皆さまとの

お別れがありました。

うち5名は 

90歳以上の方々。

 

怒られたり笑い合ったりして

共にすごした日々は

私たちスタッフにとって

大切な時間でした。

 

支援者として 

“ご本人の望む最期 ”の

お手伝いが出来たのだろうか。

 

そう振り返る時に

忘れられないエピソードが

あります。

 

(๑・㉨・๑)・ᴥ・( ᐡ ᵔᴥᵔ ᐡ )(◍•㉦•◍)๑ ワン!

 

小規模多機能で、

在宅生活を支援してきた

ひとりの女性。

2014年 ~ 2019年までの約5年

ガーデンを利用されました。

 

 

大正生まれ。

筋の通った頑固さをもつ

凛とした女性でした。

大きな事故の後遺症で右手は

ほとんど使えなかったけれど

ガーデンに来るのが何より好きで

熱があっても

具合が悪くても 

自分ひとりで身支度を整え

迎えの車を待っている

そんな日々が何年も続きました。

 

しかし

年を重ね、体が弱くなりました。

感染症をくり返し

起きられなくなりました。

通ってくることも難しくなり

訪問がメインの支援に。

スタッフが午前、午後で

訪問し 身の回りのお手伝い。

食事はほとんど摂れていません。

ゼリーやアイスなど

食べれるものを少しでも口に

入れてもらうよう関わりました。

ガーデンに通って来る日は

皆さんが過ごすフロアの

日当たりの良いソファが定位置。

いろんな声を聴きながら

過ごしてもらいます。

 

 

小規模多機能の他にも

訪問診療、訪問看護

訪問マッサージ、訪問歯科。

多職種が連携しました。

 

同居の息子さんも

仕事の合間に

できる限りのケアを

されていました。

 

状態は横ばい。

良く言えば「安定」…

 

でも息子さんにしたら

“この生活いつまで続くんだろう…”

先の見えない介護生活への

不安が強くなったのです。

 

ガーデンの宿泊を使っても

毎日は泊まれない。

 

「サービス関係者が 日に何度も

出入りする生活に疲れてしまった…

母親には悪いけど

看取りまでやってもらえる施設を

探しています」

そう話されました。

 

ご本人をお風呂に入れたときに

二人きりになったので

聞いてみました。

「 これからの生活のこと、

息子さんは色々と考えている

みたいです。お母さんが安心して

過ごせる場所を探しているよ。

〇〇さんはどうしたいですか?

 

 

『 私は、今のままがいい。

ナナ(亡くなった愛犬)の

眠っている自分の家で、

ガーデンの皆さんに来てもらって

過ごしたいです。

どこにも行きたくない』

 

 

息子さんの気持ち。

ご本人の思い。

 

 

まもなくして息子さんは

介護付き有料老人ホームを

見つけてきました。

1週間の体験入居を経て

問題なければ、本契約となるそうです。

 

出発の朝

ご本人は 『 行かない!』と

ベッドにしがみつき

抵抗したそうです。

息子さんは心を鬼にして

本人を説得し

車に乗せたと聞きました。

 

体験入居。

決まった時間に職員が起こしにきて

食堂にお連れするものの

慣れない環境…

知らない人たち…

提供される食事は

ほとんど食べることが出来ない。

それ以外の時間は

部屋で一人っきりの

1週間。

 

本契約を迎える日、

息子さんが手続きのために

施設に行くと

血相を変えた職員さんが

呼びに来たそうです。

容態が急変し、

お部屋でひっそりと

息を引き取っていたのです。

 

息子さんは

涙ながらにこの経緯を話して

くださいました。

「 ガーデンさんにお世話に

なっていたら母は今も

変わらずに過ごしていたと思います」

 

 

1週間。

ご本人がどういう思いで

過ごされたのか。

 

考えると苦しくなりました。

 

ご本人の思いを叶えるために

息子さんに後悔させないために

もっと説得すればよかった…

 

“ 私たち小規模のスタッフも

一緒に頑張るから

在宅で最期までお手伝い

させてください ”って

強く言えばよかった…

 

 

☪︎⋆。˚✩✩°。 ⸜(* ॑  ॑* )⸝☪︎⋆。˚✩☆。.:*・゜

 

 

今年1年を振り返るとき、

7名の方々とのお別れには

それぞれに“想い”の残る

エピソードがあります。

 

 f:id:gc-funabashi-miyama:20191202210155j:plain

 

そして。

この女性を想うとき

胸の奥をギュッと

締めつけられる

この感覚を 忘れてはならないと

自分に言い聞かせます。

 

 

7名の皆さんを偲び

在りし日の笑顔を

思い出しながら

ガーデンコート船橋三山は

新しい年を迎えます。